フランス革命を発明したのはドイツ人だ

フランス人はフランス革命のことを、市民革命とは言わず、クーデター、テロという言い回しを使う。大義名分のない暴力であって、理念にのっとった革命ではない。という言い方をする。少数の貴族階級に支配された市民・労働者階級が、貴族の弾圧と戦い勝利し自由を勝ち取り解放された市民革命だというのは、ドイツ人が言うセリフであって、フランス人は言わない。フランス人に言わせると「あれを革命と呼ぶなら、ロベスピエールやナポレオンやナポレオン三世は、何を代表しているのか?何も代表してないじゃないか」となる。ナポレオンが平民の地位を捨て皇帝に成ったことに、ベートーベンは激怒し、ナポレオンのために書いた楽譜を破り捨てたのは有名な話だ。


フランス革命によって殺された皇室、ルイ16世マリー・アントワネットの夫妻だが、この夫婦の結婚は、長年戦争をしてきたフランス皇室とドイツ語圏のオーストリー皇室との結婚で、両国皇室の結婚は、両国に平和をもたらすための政略結婚でもあり、両国の国民に大歓迎されたのだが、その後マリー・アントワネットの浪費癖で、フランス国民の怒りを買い殺されるにあたって、フランス側からすれば、長年戦争をしてきた隣国のお姫様を殺すわけだから、当然、戦争を意識せざるを得ない。オーストリー(というか、今のイメージで大雑把に言えばドイツ。)としても、自分の国のお姫様をめとった国が、お姫様を殺すとも成れば、即戦争につながる。結局戦争を回避する意味でも、ドイツ側はマリー・アントワネットの悪政を認め、フランス国民の怒りに理解を示すことにして、市民革命という大義名分を与えた。フランス側としても、ドイツ人の心情を考慮して、フランス革命は大義名分のある市民革命ではなく、ただの暴力であったという言い方をする。


フランスとドイツで言えば、第二次大戦に関してはフランスが戦勝国で、ドイツが敗戦国で、ドイツが侵略戦争を仕掛けて、ドイツ側に戦争責任があるという言い方になるが、フランス側としてもフランス革命時の経緯があるから、一方的に被害者面するだけでもない。


日中や日韓の関係で言っても、第二次大戦に関しては、日本に戦争責任があるとして、国家間の謝罪や賠償は一応済んでいるわけで、いつまでもそれをしつこく言うなら、じゃあ元寇の戦争責任に関してはどうなるのですか?つう話になってくる。