借金と預金の違いが分からない

日本の借金が地方債含めて一千兆円とも言われている昨今、改革を押し進めて財政を健全にしなきゃならないとかで、郵政民営化が必要なのだそうだ。

民営化賛成の人が言うには、郵便貯金は政府が運営しているので、民間の銀行と違って絶対に倒産しないから安全だということで、多くの人が貯金している。それを財政投融資と称して、代議士が自分の地元に道路や橋や空港を作るのに使い、不良債権化している。民営化すればそのような事は起きない。と言っているらしい。

民営化反対の人は、世界的に見ても有数の貯金額を誇る郵便貯金を民営化しようとすれば、日本の企業で買い取れる額ではないので外資に頼ることになる。結果、日本の不良債権を買っていた郵便貯金が外国(アメリカ)の不良債権を買い取るだけで、何も変わらない。となる。

で、似た問題は郵便貯金だけでなく、国民健康保険から、年金から失業保険から、要は国が運営する金融全般に渡る。こういう話は俺には難しすぎてよく分からない。国の借金が何兆円というときの中身も、国が民間銀行に押し付けている国債の発行額がいくらで、郵便貯金の額がいくらで、年金がいくらで、国民健康保険がいくらでと言われる。

郵便貯金がいくらと言われて、それは貯金じゃないのか?と馬鹿な俺は思ってしまう。国民が年金にいくら、郵貯にいくらお金を貯金している。貯金は金庫に入れて放っておいても、金庫代や警備の人達の人件費やが掛かるので、どこかに投資して増やすことを考える。投資する側である以上、日本国民は債権者であるわけだ。どこかの代議士が自分の地元に資金の回収めどの立たない橋や空港のためにお金を使っても、貯金している側は債権者であるから、債権者である日本国民は債務者から取り立てる側であって、取り立てられる債務者ではない。で、お金を払う義務がある債務者は誰かと言うと、その代議士の所属している政府なり地方自治体なりになる。結局債権者も債務者も日本国民になるっぽい。日本人というのはいざというときのために貯金を取っておくのが好きな国民だが、貯金を集めればどこかに投資しなくてはならない以上、債権者になるわけで、それが投資である以上、投資したお金が回収できない可能性があり、不良債権化する可能性がある。金は返せなくなったとき、債務者は破産宣告すれば済むが貸した側は、債権者は債務者の企業に経営者を送り込んで経営を立て直す能力が要求される。人が銀行に二百円貯金すれば、その人には二百円の債権が、銀行には二百円の債務が発生する。日本なら日本という閉じた集団内でお金を回した場合、その集団内すべての債務額とすべての債権額は一致する。日本政府の借金が一千兆円という話も、年金や健康保険を含めた日本国民全体の預金が一千兆円とほぼ同義なのではないかと思う。私には借金と預金の区別もつかない。