radio people voices感想

佐藤由美子さん自身が喫茶店のマスターをしているのに驚いた。店員は佐藤さん一人だった。カフェ ラバンデリアの郵便受けはpoetry in the kitchenになっていた。トレンジスター・プレスの編集室を誰もが気軽に出入りできる空間にしようとしたら、喫茶店になったという印象。お客さんも出版関係者。お酒も出るある種のカフェバー。コーヒーが300円で飲める。予想以上に安い。アルコールのことはよく判らないが、割と珍しい品種を入れているらしい。
ラテンアメリカ文化を北米に紹介したビートニク系の方だと思った。店内には南米スペイン語系の本が多く置いてあった。人と会って情報を拾うのが仕事の編集者の中で、自分から出かけるやり方と、自分の拠点に人を呼ぶやり方があるとすると、人を呼ぶスタイルを今回使ったっぽい。雑誌インタビュー編集長のアンディ・ウォーホルの活動拠点ファクトリーみたいなものだろうか。出版業界にもお金が回っていた1980年代ならともかく、いまの時代に編集部を誰でも出入り可の喫茶店・カフェバーにしているのはすごい。よくインディ雑誌の編集後記で「編集部に気軽に遊びに来て下さい」と書いてあることがあるが、実際に遊びに行くと門前払いを喰らう物だ。気軽にと言いながら、事前に電話で要予約で、電話すると編集部が散らかっていて余裕がないのでと断られる。断る側の事情も分かる。都内の高い家賃を考えれば、編集部の作業スペースとは別に接客スペースを設けるのは困難だし、接客用の人件費・時間を編集部で負担するのも大変だ。でも、ラバンデリアはガチに喫茶店で、すげーなぁと思った。