俺もな、クラスに好きな子おんねん。めっちゃカワイイねん。進級して二年なったらクラスがえや。その子と違うクラスになるかもしれん。そうなる前に、振られてもいいから告白しよう思って、その子の前に行った。いきなり告るのもアレやから、まずは軽く探り入れよう思ってな、付き合ってる奴いるの？って聞いた。めっちゃカワイイ顔して、「いてへん」ゆうねん。よっしゃチャンス回ってきた。好きな人いるの？って聞いた。「おる」ゆうねん。うわ、やばいどうしよ。でもまあ、しゃぁない、当って砕けろや。だれ？って聞いたら。「ルパン三世」ゆうねん。うわ、めっちゃヤバイ、どうしよ。チャンスやけど、チャンスやない。恋愛に興味ないんか？ゆうたら、「ちゃう。ルパン三世みたいな人が好き」ゆうねん。ルパン三世みたいゆわれたから、俺もルパン三世みたいに見せよ思って、ちょっとズボンのすそ絞って、スーパースリムのピタピタのズボンみたいに見せて、頭の横の毛一生懸命下ろして、もみ上げみたいにして、「ふぅじこちゃ〜〜〜ん」とか言ってみたけど「そんなんちゃう」ゆわれて、「カッコやなくて生き方がルパン三世みたいな人」ゆわれたから、思わずオープニングテーマ歌い出した。「真っ赤なバラはお前の唇」歌い出しちょっとキザかな思ったけど、自分の好きな子がそんなん好きやゆうから、俺も頑張ってみた「優しく抱き締めてくれとねだる」おお、カッコええヤン。俺こんなセリフ歌でなかったら絶対この子に言えへんかった。「お〜〜とこには〜自分の世界が〜ある」これや、これや、これをこの子は求めてるねん。自分の世界、自分の生き方、これを俺はこの子に見せなあかん。「例えるなら」例えて下さい！「空を駆ける」空を駆けましょう！「ひとすじぃ〜の流れ星〜ぃ（ルパン・ザ・サード）」いや、判からへん。ひとすじの流れ星って、俺どうしたらええねん。例えるならって例えてないやん。例えって判り難い物を判りやすいように言い換えるのが例えやのに、思いっきり判りにくい。俺の好きなあの子はルパン三世みたいな生き方、ルパン三世みたいな自分の世界を持った人が好きやねん。俺はそんな世界を持ちたいねん。それが「例えるなら空を駆けるひとすじの流れ星」って、おれは一体どうしたら良いねん。俺にどうしろゆうんやぁ。
