という話で。
取りあえず、上記で問題になっているのは、ロックバンドのライブなどで「人が人の上に乗る行為」で、観客が密集した所で、観客の一人が友人の肩などに手を掛けて、頭の上に乗り、密集した観客達が手で頭上の観客を持ち上げて運ぶのをクラウド・サーフ、もしくはダイブと呼ぶ。厳密にはダイブはステージ上のパフォーマーが客席に飛んで、観客がそのパフォーマーを手で頭上に持ち上げて運ぶ行為をいう。
そのてのクラウド・サーフをするときに、サーフされたい観客が、自分の体を持ち上げるために、見ず知らずの観客の肩に手や足を掛けて登ると、その踏み台になった人は、知らない人に背中や肩や頭を踏まれたり蹴られたりすることになる。また、群集の頭上に上がった観客がはしゃいで出足をバタつかせたり、跳びはねたりすると、下にいる群集の顔や頭を踏んだり蹴ったりすることになる。
この行為で、怪我人が出て、当事者が被害届を出す
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頭上に乗った加害者の顔や名前がわからない
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被害届や損害賠償責任などが、会場を所有する地方自治体や国に対して出される
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地方自治体や国は責任を取りたくないので、事前に禁止の文言を入れておく
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責任は会場を自治体から借りたイベント主催者(例えばロッキンオン)が負うことになる
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イベント主催者は責任を取りたくないので事前に禁止の文言を入れる
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禁止の文言が入った状態でやった場合、万一の時に責任はバンド持ちになる
責任の転嫁が何重にも行なわれていて、自分に責任が来なければ、やっても良いと誰もが思っている部分がある。当事者責任を言うなら、本来頭上に乗った人間に直接被害届を出すべきだが、顔も名前も分からない場合、届の宛先が分からない。
問題の一つとして、会場の観客の全員がクラウド・サーフをすることされることに、同意しているのかという問題がある。クラウド・サーフが売りのバンドで、客席の最前列にいたら、同意があるとみなされるだろうというのは、クラウド・サーフする側の問題で、バンドに対しての知識がないお客さんが最前列にいるかも知れないし、クラウド・サーフが嫌だから、後ろの方で見ていたつもりなのに、上に乗られて顔蹴られたという人もいるかも知れない。どこまでがクラウド・サーフエリアで、どこからがクラウド・サーフエリアじゃないのかが、あいまいだという問題。
バンドに対しての認識が人によって違うという例だと、ユーチューブで押尾学のLIVのライブ映像を見ると、押尾が客席にダイブすると、客席の女の子達が散って、押尾が地面に着地する映像がある。押尾はLIVをダイブをする激しいハードコアバンドだと思っているが、客席の女の子達はアイドルのコンサートを見ている気分で、ダイブに対しての同意がなかったわけだ。
ARBの再結成インタビュー読むと、ARBのファンも歳を重ねてきたので、お年寄りや子供連れも多いので、オールスタンディングの席だけでなく、座って見れるエリアも作りたいし、会場内に託児所も欲しいと言っていて、モッシュやダイブに耐える体力がないお客さんのことも考えている。モッシュをする自由と同時に、しない自由の話をするなら、エリアを別ける事は必要だと思う。