感傷的な音楽論

http://d.hatena.ne.jp/rmxtori/20071230/p1
上の話はずいぶん前から言われていた話ばかりで、情報としては面白くないが、その感傷性が面白い。
イカ天2007で17年ぶりにイカ天が復活というのをやっていたが、祭りの後の感傷的な気分がすごい。あの当時の高校生だった自分には分からなかったが、パール兄弟のさえきけんぞうさんのレビューとか読むと、バンドブームの時、当事者達はファンクを流行らそうとしていたが、結局ノーマルな8ビートに駆逐されたというのが、イカ天からも伝わってくる。イカ天の審査員がドラマーの村上ポン太さん、ベースの吉田健さん、第一回グランドイカ天キングがフライングキッズというファンクバンドで、高得点をマークした「宮尾すすむと日本の社長」や、南米のビートを強調したKUSUKUSUやノーマジーンなど、16ビートのフュージョン〜ファンク〜サンバやマンボなどの複雑な南米のビートが多く、ブルーハーツ松井常松的なシンプルな8ビートは、ブームの仕掛け人の人達にとって、減点対象であったというのが感じられる。凄腕スタジオミュージシャンの審査員や一部出演者は複雑なリズムでテクニックを見せようとするが、観客の多くは複雑なリズムをきざむことが出来ず、それらの音楽に対して踊ること・口ずさむことができない。ファンクで言うなら、アップテンポのダンス曲はヒットせず、日本で売れているファンク系の曲と言えば、スガシカオの歌うスローバラード系の曲になる。ブームというのが仕掛け人の人たちの思惑とは違う方向へ転がりだして、その中核にいた人達自体が挫折感を味わうという現象がすごく感傷的だ。