白菜ラーメン

少し前のラーメンブームの時は、どこもオシャレでカッコイイ、若いカップルが二人で入れるトンコツ味のラーメン店ばかりだったが、狂牛病でにぼし等の魚ダシラーメンが来て、最近は白菜の芯でダシをとったかのようなラーメンが台頭してきている。味噌・塩・しょうゆのどれでもない、食べた瞬間、美味いでも、まずいでもない、ダサい田舎の家庭料理の味がする白菜ダシのラーメン。ラーメンにまで昭和三十年代がしみだしている。田舎のおばあちゃんが作った雑煮の味がするラーメン。食べた瞬間、これはラーメンじゃなくて、煮物だろと、ラーメンブームの頃のオシャレでカッコイイラーメンのイメージが一発で吹き飛ぶダサくて懐かしい味。口の中で東京オリンピックが広がっていく。白菜ラーメンが台頭するバックグラウンドがよく分からない。