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1980年前後に、カラフルでポップな絵画が世界同時多発的に流行って、それを日本ではニュー・ペインティングと言って、英語圏ではネオ・エクスプレッショニズム(直訳:新表現主義)と言う。自分の中で、ネオ・エクスプレッショニズムをニュー・ペインティングと訳すのは間違いじゃないのかと思い色々調べた。


1945年の第二次世界大戦の終わりから、1970年代ぐらいまで、世界的に抽象画が流行るのだけれども、コンセプチュアル・アート(直訳:概念芸術)が出てきて、作品を作らずに作品のコンセプトだけを語る方向で行きつくところまで行きつくと、コンセプトを語った美術批評系の本は売れるが、作品は作られないため、美術品の売買をするギャラリー・画商が食えなくなって、逆に批評抜きで、作品単体で素人にも良さが分かる絵をギャラリー業界が欲して、そういう絵だけを集めた展覧会が1980年前後に世界中で企画されて、企画展の名前を取って、ニュー・ペインティングとかネオ・エクスプレッショニズムと呼ばれるようになった。展覧会ごとに企画展の呼び名が違うように、国ごとに呼び名が違って、ドイツだとノイエ・ワイルド(直訳:新しい野生)、フランスだとフィギュレーション・リブレ(直訳:自由な造形)と呼ぶらしい。これに類義語としてネオ・ジオやネオ・ポップが連なるからさらにややこしい。


ニュー・ペインティングとネオ・エクスプレッショニズムとノイエ・ワイルドとフィギュレーション・リブレが同じか別かは、難しいところで、時代背景や社会状況が同じである以上、似た傾向があるのと同時に、各国のお国柄の違いもあるし、国やギャラリーや画家が別である以上、作風も全く同じになるはずもない。そもそもがコンセプチュアル・アートの逆で、コンセプト(美術批評)の不必要なアートを作るというコンセプトなので、コンセプトがないというコンセプトを共有しているとも言えるし、統一したコンセプトがないとも言えるため、それらを同じ名前で呼ぶべきなのか、別の名前で呼ぶべきなのかが難しい。個人的に「抽象画・難解>ノイエ・ワイルド>ネオ・エクスプレッショニズム>ニュー・ペインティング>フィギュレーション・リブレ>具象画・ポップ寄り」と思う。画像検索を見ながら、それらが同じ物なのか別の物なのか考えて欲しい。