私立文系が就職できない理由

私自身、地方から東京に出てきた、三流大学の私立文系卒なのですが、文系(特に文学部)が就職できないと言われる理由に関して、何か書きたい。


まず、大雑把に言って、公務員/民間で別けると、地方国立大卒は、地方公務員に成れるので文系新卒でも就職出来ます。


製造業(工場勤務)→流通業(卸し売り業/倉庫・配送センター勤務)→小売業
金融業界を除いて考えたときに、すべての仕事はこの三つのうちのどれかになると仮定しましょう。


「製造業は基本的に理系しかとりません。」これ、リクルート社の方が某サイトのコラムで書いていて、割と衝撃的だったのですが、日本の求人情報を一手に引き受けているリクルート社のデータによると、ここ十年、リクルート社にメーカーで四大卒文系の求人は来ていないようです。別のサイトで、メーカーの採用担当者が「メーカーだって四大卒文系を採用しますよ」と反論を書かれていたのですが、要はリクルート社に求人広告を出すまでもなく、地元国立大の掲示板に求人を出せば埋まる程度の人数しか採用しないということです。


企業から見たときに、文系四大卒の仕事は営業で、経理事務などは商業高校卒で日商簿記二級取得者を雇えば良いのであって、わざわざ四大卒である必要もない。営業と言ってもメーカーでB to Bの場合、開業医に新薬の営業を掛けるのに、文学部卒を雇っても意味がなくて、開業医から技術的な質問が成されたときに、医学的な知識を持って答えることのできる薬学部・医学部卒を雇う。変電所で使う業務用の巨大モーターを売るときに、工学部機械科卒の人間を雇うのであって、技術的な質問に答えられない文系の人間を使うことは無い。


文系卒で就職すると、流通か小売りになる。小売りで、スーパーやコンビニや飲食店の店長になるルートは、四大文系卒からすれば、高卒バイトからでも成れる職種で、大学行く必要ないじゃんと、思えてしまう。かといって、流通業だと、大手商社は別として、知名度のない会社が多い。メーカーのように「ソニーウォークマン」とテレビCMで企業名が流れることがない。知名度のない企業に入社することに文系卒は戸惑いを感じる。


平たく言えば、地方出身で東京に出てきた三流私立文系の人間は就職に関して考えが甘い。東京に出てくる地点で変な夢を見て「表現をする仕事に就きたい」と言って、在学中はバンドや劇団や映画や漫画や小説や美術など、芸術・芸能系の活動をして、マスコミやエンタメ業界に就職したいと考える。当たり前のように、芸能人や芸術家に成れるわけもなく、芸能人や芸術家をサポートする側のマスコミ業界に就職しようとするが、当然狭き門で、一流大学でも出ていない限り、エントリーシートも受け入れてもらえない。


で、大学四年になると、本当は嫌だけどネクタイ締めてスーツ着て、就職活動をして、デスクワークのホワイトカラーに成ろうとする。金融業界や広告業界かIT業界にでも行かない限り、ホワイトカラー何て業種は民間にない。


理系はその点、最初っからブルーカラーの職場に行こうとしているのが偉い。工学部建築科、工学部土木科に進学する地点で、作業服着て工事現場や建設現場で働く気持ちがある。工学部機械科に進学する地点で、工場のベルトコンベアのメンテナンスをするつもりでいる。その点、地方出身の東京三流私大文系は、妥協してホワイトカラーと、上から目線で言う。三流大学の人間ほど情報弱者なので、現実を分かっていない。