ギャラより高い交通費

youtube太平サブローシローの漫才を見ると
http://www.youtube.com/watch?v=JNRvwYcLAYg
1分20〜30秒のところで、サブローの結婚とシローの離婚がネタになっている。この辺りから、芸が荒れて最後は吉本批判をして解散に到っている。サブローシローはシローがネタを書いてボケを担当していた。そのシローが離婚&相方の結婚が同時期にあって、さらに東京進出が重なる。TV視聴者の勝手な想像だが、相方の結婚が自身の離婚とも重なり相方を相方の奥さんに取られた感があり、メンタルボロボロ状態で、慣れない東京に行って、またイチからスタッフ&お客さんとの信頼関係を作らなければいけなくなる。この時期、シローは「ごきげんよう」に出て、サブローが行きつけの飲み屋の女将のモノマネをするなど、お客さん無視でサブロー一人にしか分からないネタを延々やって「俺はオモロイけど、お客さん、わかるかい!」というサブローのツッコミに「俺はお前だけ笑ってくれたら良いんや」と返している。


サブローシローが吉本を辞めるきっかけになった関西ローカルのTV番組(生放送)を、自分はリアルタイムで見ている。番組の司会が桂文珍で、問題の番組が収録される一週間ほど前に、彼が吉本興業の悪口を面白おかしくネタにしてしゃべり、吉本から厳しく叱られた後の収録というのが一つの伏線になっている。


文珍が正月特番でしゃべっていたネタが、夏の花月で、気温が上がるとアイスやジュースが売れるが、気温が28度止まりだと、アイスやジュースが売れない。すると、劇場の支配人が「なんだ、この売上は!暖房入れろ!」と言って暖房を入れる。夏に天井でエアコンがウ〜〜と鳴ってるでしょ、あれ、冷房かと思ったら暖房なんですよ。


というネタを生放送でやって、謹慎処分するしないレベルのお叱りを受けた一〜二週間後の文珍司会の生放送で、サブローシローが吉本批判を面白おかしく展開した。東京の全国ネットと関西ローカルの番組だと、同じ仕事でもギャラが三倍違う。明石屋さんまの東京進出を見て、ライバル心を持ったサブローは東京進出をしたい。でも、事務所(吉本)は、関東進出に反対していて、やりたかったら勝手にやれ、そのかわりいまの仕事に穴をあけるなという立場。関西ではTVレギュラーを何本も持つ売れっ子でも、東京に行けば新人扱いでギャラも低い。どうしても行きたいなら、今の仕事を断らずに全力でやった上で、東京の仕事も入れろという無茶を言う。東京での仕事が、週に一回収録のラジオの生放送だけで、ラジオのために週一で東京に行くが、サブローシローの二人プラスマネージャーの三人で、東京大阪間を新幹線に乗れば、片道一人でも一〜二万しますよ。三人で往復したら十万近く掛かります。二時間ラジオのギャラより、交通費の方が高い。それをネタにして「屋根より高いこいのぼり」の替え歌で「ギャラより高い交通費」を歌った。「ギャラより高い交通費。大きい仕事はやすきよで。小さい仕事はサブローシロー。苦しそうに生きている。」これが事務所の逆鱗に触れて、事務所を辞めることになった。
http://www.youtube.com/watch?v=XJ799Zu5xpI
フォークゲリラ
http://www.youtube.com/watch?v=OV4n-eMLpwo


当時のシローのメンタルを考えると、東京進出せずに、慣れた関西で慣れたスタッフと仕事して、離婚のダメージが癒されるまで待たなきゃ駄目だったんだろうなと。結婚して奥さんの手前、収入増やしたい東京進出したい当時自信満々だったサブローと、飲みに誘っても「新婚の奥さんが家で待ってるから」と断られてしまって、奥さんにサブローを取られたという嫉妬心むき出しで、サブローの心を引き留める手段が東京進出しかなかったシロー。サブローシローの最後の輝きが上記の漫才動画だ。