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国内派(右)VS国際派(左)

日本定住外国人の排斥を訴える「在特会」と、在特会への攻撃をする「シバキ隊」のデモが路上でぶつかって、警察が在特会を守るようにして隊をなし、在特会の集会所であるビルの一室に誘導していて、ビルの出入り口を警察官が警備し、在特会メンバーが身分証を見せるとシバキ隊から守られる形でビルに入った。

というニュースがずいぶん前にあって、そのデモを現地で見た某知識人が「警察がレイシストである在特会を守っている。安倍政権の闇を見た」みたいなことをネットで書いていた。その知識人の発言を読んだ俺としては、マジかと。冗談や皮肉で「レイシストを警察が守っている」と書くなら分かるが、真面目に書いているっぽかったので、頭を抱えた。在特会を警察が警備しているのを見て、安倍政権の闇を感じ、戦慄を覚えるのは私も同じだが、自民党内においても国粋主義的なイメージのある安倍政権下で、無知なネット右翼に対する弾圧が行われていることに、私はむしろ恐怖を感じた。

普通に考えれば、在特会メンバーとして警察に身分証を提示してビルに入るのは、危険だ。それは警察が在特会のメンバーリストを作っていることを意味し、警察が作る極秘の犯罪者予備軍リストに自分の名前を加えることを意味する。警察に守られていないシバキ隊側で参加する分には身分証の提示が求められない訳でしょ。どう考えても在特会側で参加する方がハイリスクだ。

短期滞在の旅行者ではない、日本定住型の外国人に暴力を振るおうとする在特会と、その在特会に暴力を振るおうとするシバキ隊の、両方とも素手で暴力を振るうことを宣言している団体で、軽犯罪を犯すことを目的とした集団と呼べる。昔で言う極右や極左の現代版というか。在特会とシバキ隊の関係を見ると、リアルな人種差別主義者というより、人種差別主義者予備軍をあぶり出して事前に監視するためのおとり捜査要員にしか見えない。

法律上、犯罪を犯していない人を、犯罪を犯しそうだからという理由で事前に取り締まるのは禁止されている。例えば、統計上犯罪者に成りやすいのが、極度の貧困の中で育った者、初等教育しか受けていない者、精神や身体に障害がある者だとして、それらの人を事前にリスト化して管理するのは、人権を無視した憲法違反の行為だが、在特会のリスト作りはそれと限りなく近い。本気の国粋主義者でなく、カジュアルなネット右翼を集めて「気軽に外国人の悪口を言おうぜ!イェーーイ!」という集団を作って、集まってきた人間をリスト化して監視するって、どんなデストピアだよ。左寄りの俺の目から見ても恐怖を感じる。

かと思うと、安倍政権に成ってから、やたら日本の良い所を外国人が絶賛する本や雑誌やテレビ番組が増えて、ほめてもらっている日本人の目から見ても、過剰すぎて気持ち悪い。これだから安倍のようなナショナリストが政権取るとダメなんだと、ベタな60年代左翼の感性から判断されるのだが。

でも、これまで「日本は朝鮮を侵略しました」「日本は中国を侵略しました」「日本はアジアに謝罪すべきだ」「謝罪したけどまだ受け入れられていない」「日本はこんなに嫌われている」散々報道されて、近現代史でも習った結果が「じゃあ外国人と交流持つのは止そう」「外国人観光客と話すのは止めよう」「アジアから観光客を呼ぶ必要はないのではないか」だった。

これが安倍政権に成って「日本には知られていない世界一がこんなにある」「日本の文化は外国人の目から見ても素晴らしい」「日本人が知らない外国人に人気の観光スポットはこれだ!」「日本人が知らない外国人受けする日本料理はこれだ!」「世界に愛される日本を発信して、外国人に来てもらおう」。

国内派と国際派がどこかでネジれて逆転している。左翼の方が内側に閉じて、右翼の方が外側に開いている。とわ言え、どちらの極端も気持ち悪いが。