福島第一原発観光地化計画展@ゲンロンカフェに行って来た。

http://ch.nicovideo.jp/fukuichikankoproject第二会場はネット中継され、「中継映像はのち梅沢作品の素材として使われる可能性があり、第二会場への立入は『被作品化』への同意を必要とする。」と言われたら、2ちゃんねらーというか中二病というか、そういうポジションの悪意あるネットユーザーとしては、ノイズを放り込めという意味ですねと解釈してしまう。


第一会場は福島第一原発事故の取材を素材にした美術展で、第二会場は福島第一原発の復興計画が成功した2036年をイメージした美術展。第二会場でウェブカメラが回され、場合によってはカオスラウンジの素材として使われるらしい。


取り合えず、音声なしの動画で撮られるという事は、サイレント映画に近い環境なわけで、しかも監視カメラという事は上からの俯瞰で撮られるわけで、スケッチブックに極太マジックで何か書いてカメラに表示するのは、出来ない可能性が高い。俯瞰でロングショットだと、スケッチブックが小さくて文字&絵が読めないのだ。音声と字幕がないとなると、純粋に絵の勝負になるわけで、しかも向こうはプロの美術家集団カオスラウンジ、こちらは素人のウェブ荒らし。何をやっても「ああ、そのパターンね」と冷笑されるのは目に見えている。だからこそトライする価値もあるのだが。


純粋な映像勝負だとして、どんな勝負服を着ていくのか?合コン前日の女子大生並みに考えましたよ。大雑把に3パターンぐらい考えて、
1)舞浜系の国際的に有名なげっ歯類キャラクターの着ぐるみ
2)リラックマの着ぐるみパジャマ
3)ガイコツスーツ
1)はカオスラウンジの「うたわれてきてしまったもの」の「キメラこなた事件」をそのまま再現するわけで、しかも相手は世界一有名なキャラクターで、2036年には、著作権が切れている可能性が高い。詳しくは著作権延長法で検索だが、著作権関連で攻めるパターン。


さらにややこしい変化球を投げるなら、くまのプーさんの着ぐるみで参加もありえる。プーさんは、原作者と原作のアニメ化権を持つディズニーとの間で、訴訟があって、プーさんのキャラクターグッズを売ったディズニーが裁判で負けているんだけど。。。あれ、ディズニーって書いちゃダメなのか、まあその、そういう方向のアレだ。


監視カメラによる監視社会と言ったときに、そこから逃れるためのやり方として、放送出来ない何かに成ってしまえば、カメラに映らないという戦い方。


2)だと、これも著作権的にややこしいだろうけど、もし訴訟になるとして、文章・会話含めたすべてのやり取りを英語でしてくれという形にはなりにくい。「動物化するポストモダン」を読んで動物化してしまった読者がクマとして会場に訪れる。俯瞰のカメラだと着ぐるみパジャマでも充分顔がヌイグルミに見えるはず。むしろ、着ぐるみよりも顔が上向きの角度になる分、絵的には正面を向いた感じになる。


フード付きのレインコートは、原発事故時の作業員の服でもあるわけで、未来の防護服はデザイン的にカワイクなっているのではないかという部分も込みで、著作権問題よりもは、原発事故寄りの絵になるはず。原発事故によって、飼い主がいなくなり野生化したペット視点の絵作りとか。


3)はもっとベタに原発放射線のイメージとして、X線・レントゲン写真の連想から、ガイコツスーツ。http://www.amazon.co.jp/dp/B000VJ7O22。似た路線としてゾンビメークや破れたボロボロの服で、原発事故で家を失ったホームレス風など、アクの強い感じで色々ありえる。


他には、単純に2036年という未来社会のイメージで、全身銀色の全身タイツに頭から2本のアンテナが出ているレトロフューチャー系。アポロ11号の宇宙服やグレイ型宇宙人コスプレなど、ベタな未来感を2036年の展示場に持っていって、プロの方から失笑される方向性もある。


「フェンス ・カメラ等の撮影はしないでください」http://live.nicovideo.jp/watch/lv163197901という作品名に対して、鏡を使って、相手の監視カメラに監視カメラを映すという荒らしや、ツナミの塔の絵の前で、ツナミの塔の物マネをするとか、まあ、いくつかパターンは考えて、御大の目を盗んでは荒らしてみる、ノイズを投げ込んでみるということをやってみた。


第一会場で展覧会の終わりを告げるクロージングトークショーが始まり、第二会場に人が来なくなった頃を見計らって、第二会場で腕立て伏せをやってみた。ニコニコ動画内で「これはひどい」という文字が出たとも聞いた。スタッフの方に、何をやっているのか聞かれて


「自家発電です」


と答えるところまでは予定通り。原発事故に対してこの言い分。大企業に頼らない自己防衛をインディペンデントとして考えるなら、自家発電しかありえない。こんなことをしても、結局動画編集する側からすれば、いらない部分は切るわけで、私のやっているような事はカットされるわけですよ。いわば、ただの自己満足、「お前のやっている事はただのオナニーだよ」という心の声も聞きながら、スタッフの方には笑っていただいたので、自分的にはやり切った感丸出しのどや顔で終われた。第一会場で、東さんに対する質問コーナーで「あの監視カメラに映っているのは、何ですか?」という問いがあり、あの頭の良い東さんが「それは判らないですけれども」と答えたとの情報アリ。いまの日本を代表する知性が考える「どうせ、こういうことする奴いるだろ」的な予想の範疇からハミ出すことを偏差値38で三流大学に行った俺が成し遂げたんだよ。まあ、判っていた所で、女性も来ている会場で口には出来ない単語ですが。


腕立て伏せも、個人を識別できないよう顔を隠してやっているわけで、匿名の位置から害を及ぼすウィルスソフトやネットイナゴのイメージで、捨てアカウントで有名人のツイッターに絡む悪意の第三者の映像化です。第二会場の映像が流れている第一会場で腕立て伏せを見て、第二会場へ来てヒンズースクワットをして下さった方もいて、私としてはウィルスは伝染する、悪意は広がる、悪貨は良貨を駆逐するとなる。タイミング的にも初日で自分のようなウィルスが入って、悪影響が広がるよりもは、終日の遅い時間で入れたのは良かったはずで、自分の行動が原因で悪ノリがエスカレートして行って、第二会場の展覧会中止になるよりもは良かったかなと。


そのあと、第二会場に御大&御夫人&娘さんがいらっしゃって「これはご婦人方やお子様にも見せれる何かをやれという意味では」と解釈した。いや、そんな意図はなく偶然かもしれないが、未来は偶然であっても、起きてしまった事故や過去は必然になって、そこに意図が読み込まれるわけでして。