プロレスとテレビ

プロレスリングNOAHが今年三月で地上波の放送が切られるらしい。
力道山日本プロレス時代から続く日本テレビのプロレス放送の伝統がここで打ち切られると話題になっている。
個人的には新日ファンだが、ノアの放送打ち切りは正直辛い。普段、巨人の悪口を言う阪神ファンも、巨人戦が地上波打ち切りになれば、辛いようにノアのそれは正直厳しい。


昔深夜に「朝まで生プロレス」という討論番組があった。新日本プロレスの選手とTV関係者が集まって、プロレス復興の方法について討論する番組だったのだが、そこでTV関係者の言った発言がすごかった。


一番最近でプロレスで視聴率を取れたのは、大相撲横綱の北尾プロレス初参戦と、北尾対高田戦です。それ以後は視聴率が取れていません。


プロレスの選手がいかにプロレスのクオリティーを上げていくのかという話をしている最中に、話をさえぎってされたこの発言は、地上波TVに取って、プロレスラー対プロレスラーのようなプロレスの試合は不必要で、本来プロレスラーではない人がプロレスのリングに上がる異種格闘技戦しか視聴率が取れないのだという話でした。


街頭テレビの時代に、力道山の試合がテレビで流れると、テレビの前には黒山の人だかりが出来てという話をよく聞きました。敗戦直後の日本で、外国人選手を空手チョップで倒した力道山は熱狂的に支持されたとも聞きました。これは、半分は本当ですが半分は嘘です。当時、黒山の人だかりが出来たのは、大相撲の力道山選手とプロ柔道の木村政彦選手(ブラジルに柔術を根付かせた選手)が組んで、プロレスのシャープ兄弟と闘った試合です。


ノアの母体ともなっている馬場選手時代の全日本プロレスですが、主力選手を見ると元読売巨人軍ピッチャーのジャイアント馬場選手、アマレスでオリンピック日本代表のジャンボ鶴田選手、元大相撲横綱の輪島選手、同じく大相撲出身の天龍選手と、確実に異種格闘技戦になっているわけです。


異種格闘技と言えば、アントニオ猪木対ウィリー・ウィリアムス戦、アントニオ猪木モハメド・アリ戦とどうしても新日のイメージがあるのですが、そもそも地上波テレビレベルでは、プロレスラー対プロレスラーのプロレスなど放送する価値がないに等しいわけで、プロレスに全く興味のない視聴者に、見せれるものと言うと、お昼の芸能ワイドショーや夕方のテレビのニュースで放送できるようなニュース性のあるような試合でなければコンテンツとしていらないわけです。アニメや漫画のタイガーマスクがプロレスに参戦ならニュースとして流せるし、ボクシングや空手や相撲や柔道の選手がプロレスに参戦なら放送できるが、プロレス団体内の試合などTVレベルでは無価値に等しい。


もし私がノアの関係者なら、3月まで放送があるなら、一回だけテレビ局に媚びまくったマッチメイクが出来るように奔走します。例えば、亀田3兄弟の父、亀田史郎氏とノアの選手が闘うなら、芸能ワイドショーでも充分取り上げられるだろう。ボクシング関係者がプロレスに参戦となると日本ボクシング協会が横槍を入れるだろうし、ボクシング協会と親密な関係にある者は参戦しにくいと思う。が、実質的に日本ボクシング協会から永久追放状態の史郎氏なら、場合によっては参戦可能ではないか?いま亀田家はイメージアップ=スポンサー獲得に必死らしいので、亀田史郎氏の好感度が上がって、亀田家にスポンサーが付くようなブックが書ければ、不可能ではないと思う。


亀田史郎氏が無理なら、少林寺拳法5段でキックボクシングの経験者でもあるという安岡力也氏や元ボクサーで俳優の赤井英和氏、合気道のスティーブン・セガール氏、柔道のチャック・ウィルソン氏辺りでニュース性のあるマッチメイクをして、日本テレビ内の色んなコーナーで番宣をして、地上波放送に耐えるプロレスのコンテンツとしての価値を示すべきだと思う。